アメリカで民主党のジョー・バイデン氏が第46代大統領に就任しましたね。78歳と史上最高齢での就任。副大統領には女性として初めて黒人のカマラ・ハリス氏が就任。56歳の女性という事で、個人的には、同世代の彼女にとても関心を持って注目しています。
選挙でトランプ支持とバイデン支持がほぼ半数で分断されたアメリカ国民のうち、白人は人口の半分以下になり、人種問題や移民問題に直面しているバイデン政権は、閣僚に黒人・先住民・性的マイノリティの方々や女性を多く選び、サヌキ性(男性性)に偏った状態からアワ性(女性性)にバランスを取ろうとしている。
しかし、不穏な動きもある様なので、今後アメリカがどうなってゆくのか、注視する必要がある。
現在、世界第一位の経済大国のアメリカは、イギリスの植民地から1776年に独立して、1789年に初代大統領ジョージ・ワシントンから今回のジョー・バイデン新大統領まで46代、245年の歴史で、経済大国第二位の中国、第三位の日本の長い歴史から考えると、アメリカの歴史は本当に短い。
先日のブログ『不穏な空気』で私が「国民性の違いを体感する旅」として、18歳で台湾・22歳で香港・25歳で中国と中華圏を巡ってみたお話しをしましたが、20歳の時には、大学の夏休みを使って、欧米の違いを体感しに、アメリカとイギリスを1ヶ月間旅してみた。
きっかけは、姉がイギリス系アメリカ人とのハーフの旦那さんと結婚し、その義理の兄が日本で子供の頃に白人のアメリカ人とのハーフという事で肌の色・髪の色・目の色が違うと「外人!」と石を投げられたり、人種差別で苦労した話を聞き「人種差別問題」に関心が湧きました。
アメリカでは白人による黒人差別問題や先住民迫害など、肌の色や人種で差別が問題になっているが、たった200年ほどで世界一の経済大国になったアメリカとその原点の国であるイギリスの国民性は、実際どんなものなのか、肌で感じる旅である。
ちょうど,アメリカのワシントン州とイギリスのロンドンに友人が留学していたので、それぞれの友人に会いに行きつつ、旅をしました。
アメリカへは、私と建築・住空間・インテリアデザインを一緒に学ぶクラスメイトの男女3人で旅に出た。
まず、ワシントン州のシアトルから入り、ワシントン州立大学で建築を学びに留学している友人と合流し、大学の寮のゲストルームに泊めていただき、彼女のアメリカ人のボーイフレンドの実家に招かれ、彼とその家族と食事をした。
アメリカに来て、初めて触れ合う白人のファミリーは、とてもフレンドリーで日本人の私達を歓迎してくれた。
ワシントン州の優れたデザインの建物やアートや観光地を案内してもらい、その後、友人と彼も一緒に車でカナダとの国境付近まで旅をした。
大きな湖のある自然豊かな場所に着いたその日は、7月4日でアメリカの「独立記念日」でした。今から約245年前の1776年のこの日、アメリカが「独立宣言」をして、イギリスから独立した日です。
アメリカ人はこの日、バーベキューやピクニックに繰り出し、朝から晩まで花火や各種イベントを楽しんで、建国を祝って盛り上がります。
その湖のほとりでも、コテージなどでバーベキューパーティーが開かれており、昼間から花火を打ち上げて、盛り上がっていました。
突然現れた私達アジア人に、アメリカの若者達は少し驚いて、けげんな顔をしていましたが、大人達が「あなた達もこちらにいらっしゃい。一緒に建国を祝いましょう!」とバーベキューパーティーに誘ってくれました。
友人達ほど英会話が得意ではない私は、会話を必死に聞く事にも疲れ、ひとり景色をぼーっと眺めていたら、白髪に白いひげのおじいさんが「一緒に釣りをしよう。」と誘ってくれて、小船に乗って湖の真ん中あたりで、おじいさんと釣り糸を垂らした。大自然の中で釣りをしていると、東京の慌ただしい生活が嘘のようだった。だまって釣りをするおじいさんの姿は「老人と海」(湖だけど…)みたいで、なんだかホッと癒された。釣れた数匹の魚を焼いて、私達に振舞ってくれ、とても楽しい時間を過ごした。
その後、友人&彼氏と別れ、10日間ほど、あちこちの州の大自然を旅した。
長距離バスで移動している時、砂漠地帯でよく見ると、8本の竜巻きがゴウゴウと砂を巻き上げ砂柱となり、そのうちの1本がバスに迫ってくる様でとても怖かった。自然界のスケールが日本とは、まるで違った。
約2週間、アメリカの雄大な自然を満喫したので、今度は大都会を体験するため、飛行機でニューヨークへ大移動した。
アメリカは国土が広いため、国内時差があり、シアトル・ロサンゼルス・サンフランシスコ・ラスベガスなどの西海岸とニューヨーク・ボストン・アトランタ・マイアミなどの東海岸では、3時間の時差がある。
同じ国でこんなに時差があるのは、不思議な感じがした。
そう言えば、友人の彼氏の家族と食事している時に「自然を満喫した後は、ニューヨークに行く」と言ったら「西海岸で暮らす僕らは、東海岸のニューヨークなんて遠くて一度も行った事ないよ。アメリカ人の僕らも行った事ないのにすごいね。」と言っていた。確かにシアトルとニューヨークじゃ、端から端までアメリカを横断するので、飛行機で5時間弱かかる。
本当に広い国だと感じた。
ニューヨークに着いたその日は、マンハッタンのミッドタウンにある、あの有名なカーネギーホールの真隣りにあるホテルを予約しており、窓からカーネギーホールが見えるはずだったが、残念な事にその時期にカーネギーホールが外観工事をしており、建物が工事用の足場とネットに覆われて、ほとんど見えなかった…。
ミッドタウンとは、ニューヨークの一番中心地で、カーネギー・ホールの他、エンパイア・ステート・ビル、ニューヨーク・タイムズ・ビル、ロックフェラー・センター、マディソン・スクエア・ガーデン、タイムズスクエア、トランプ・タワー、セントラル・パーク、国際連合本部ビルなどなど、マンハッタンの主要な建物が集中する場所なので、近代建築見学としては、最高の場所で毎日歩き回っていた。
「MoMA(モマ)」と呼ばれて親しまれるニューヨーク近代美術館は、セザンヌ・ピカソ・ダリ・ゴッホ ・ルソー・ゴーギャンなどのそうそうたる画家の教科書にのるほどの有名な名画が展示されており、とても見応えがある上に、建築図面や模型・家具・商品デザイン・ポスター・写真・映画など、芸術とはみなされていなかった新しい時代の表現までをも収蔵品に加え、世界のアートデザインの中心とされており、日本製の電気製品や家具、映画作品などもデザインの歴史に影響を与えた優れた作品として収蔵されている。
また螺旋状の曲線美が美しいグッゲンハイム美術館は、大好きな建築家フランク・ロイド・ライトが設計した建物で、美術品だけでなく、空間も楽しめる美術館だった。
ミッドタウンをひと通り満喫し、マンハッタンのダウンタウンに向かう途中、とても記憶に残る出来事があった。
カフェでランチをしたが、アメリカに来てから食事が、何を注文しても脂っこく、味も濃く、量もやたら多く、胸やけがする食べ物ばかりで、さっぱりしたくて炭酸ドリンクやヨーグルトなどを頼んでも全て激甘で、食事が合わなくて3人ともうんざりして店を出た。
「胸やけがする。お茶飲んで、さっぱりしたいけど、アメリカってお茶飲む文化じゃないし、どこにもない…こんな事なら麦茶パック持ってくればよかった。」
「アイスコーヒー頼んだら、最初からガムシロップがたっぷり入っていて甘かった…ブラックコーヒーってあえて言わないと砂糖が入ってくるのね…」
「アメリカが肥満大国なのがわかる気がする…」
など、口々にアメリカの食に対して不満を言いながら、スーツケースをガラガラ引いて歩いていたら、後ろから「おーい!君たち待ってー!」と英語で誰かが叫んでいた。振り向くと先ほど入ったカフェの店員のお兄さんだった。
カフェを出てからもう30〜40分は経つ。だいぶ遠くまで歩いて来たのに、追いかけて来た。
「見つけられて良かった!これ君たちのだろ?スーツケースの鍵だよね?旅の途中で無くしたら困ると思って。ずいぶん探したよ!」と友達が落としたスーツケースの鍵を届けてくれた。
友達はそのお兄さんに感謝して、何度もお礼を言って、チップを渡していた。
「気をつけて良い旅を!」とさわやかな笑顔でお兄さんはお店に帰って行った。
さっきまで、料理に文句をつけていた自分達が恥ずかしくなり、反省した。
「真っ直ぐ歩いて来たわけではないのに、40分もニューヨークの街の中を探してくれるなんて、なんて親切な人なんだろう…」
思えば、アメリカを旅してからずっと、人種差別どころか、フレンドリーでとても親切にしてもらう事が多かった。確かに日本で報道される様な人種差別の事件は実際に起こっているのだろうが、その報道を見て、アメリカ人の多くがそうなのではと思ってしまっていた自分の考えが、実際に旅をしてみて人々と触れ合って変わっていった。確かに冷たい態度の人もいたが、そんな事は日本でもよくある事で気にならなかった。
しかし、昨年からコロナの発生源が中国ということから、アジア人に対する人種差別が増え、コロナ禍が続く中、ニューヨークでもアジア系住民に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)が激増している。人種差別的な暴言や嫌がらせ行為のほか、身体的な暴力を受けたというケースも少なくない。何かがきっかけになり、ある特定の人種に対する差別や憎悪が起こるという現実は、とても、残念な事である。
ニューヨークのダウンタウン・ソーホー地区に移動した。ソーホーは、芸術家やアーティストが多く暮らし、小さなギャラリーがたくさんあり、とても感性を刺激される芸術とアートの街である。一日中歩き回って、宿泊するホテルに行った。同じニューヨークでもミッドタウン(山の手)とダウンタウン(下町)では、ホテルの雰囲気も違い、宿泊料もグッと安い。東京の下町で育った私には、こっちの方がしっくりきた。
夜、部屋で休んでいたら、窓の外から銃声が聞こえた。しばらくしてパトカーのサイレン音が街に響いた。アメリカが銃社会である事をあらためて感じた。ニューヨークで一週間過ごして、二度銃の発砲音を聞いた。「いつ自分が巻き込まれるかわからない中で、この街の人達は暮らしているのだな…」と『銃社会』という日本にはない緊張感とアメリカが抱える問題を考えさせられた。そういえば、ジョン・レノンもニューヨークで銃に撃たれて亡くなったのだったな…。
アメリカで銃乱射事件が起こるたびに銃規制を求める声は高まるにもかかわらず、銃規制を行うのが困難なのは、犯罪や暴力に対して「自分の身を守るには銃が必要」と強く思っている人が多く、護身用に所持する。だから、闇社会の人間だけでなく、一般人も所持しており、たびたび親の銃で遊んでいた子供が誤射して人を撃ってしまう不幸な事件もある。
共和党と関わりが深い、全米ライフル協会は、1871年に南北戦争の北軍の帰還兵らによって組織され、個人の銃所有の権利を擁護する団体で「人を殺すのは人であって銃ではない」というスローガンを掲げている。
その団体が政治と密接に繋がっているのだから、銃規制が難しくとても根深い問題である。
人が銃や武器を持たなくてもよい世の中を作ることに政治の力を使ってほしいものである…。
ニューヨークからヨーロッパに行くのに当時は5万円ほどで往復できたので、私はイギリスのロンドンの友人に会いに行く事にして、もう一人は、パリに行く事にして、もう一人は、アメリカをもう少し旅する事にして、一週間後にまたニューヨークでおち合う事にした。
アメリカの原点であるイギリスを実際見ておきたかった。
そのイギリスの旅で体感した事はまた次回…。
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